川や田んぼ、水辺を歩いていると、スラリとした長い脚に白や灰色の羽をまとったサギの姿を見かけることがあります。
その優雅な立ち姿や巧みな狩りの様子は、野鳥観察の中でも人気の被写体。
今回は、日本で身近に観察できるサギの生態と、その魅力をご紹介します。

サギってどんな鳥?
サギはペリカン目サギ科に属する水鳥で、日本ではアオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギなどが代表的です。
細長い首と脚、鋭いくちばしを持ち、浅瀬でじっと立ち、魚やカエル、甲殻類などを素早く捕らえます。
飛ぶときには首をS字に縮めるのが特徴で、ツルやカモとはこの点で見分けがつきます。

一年を通して観察できる、見飽きない鳥!
サギは日本各地で一年を通して見ることができます。
冬は越冬のために集まる個体、夏は繁殖期のため美しい飾り羽をつけた個体が見られます。
たとえばアマサギは夏になると頭や首がオレンジ色になり、冬は真っ白に戻るという劇的な変化を見せます。
アオサギは逆に冬になると体の色が変化します。くちばしや脚が赤く染まるのです。
年中見慣れたサギであっても、季節によって色が違うことがあるので見逃せません!



ぼーっとしているようで、実は頭脳派
サギは環境に応じて狩り方を変える賢い鳥です。
コサギは足で水をかき回して魚を驚かせて捕まえるほか、ササゴイなどはパンくずや葉を水面に落とし、魚をおびき寄せて捕らえる“釣り”のような行動も確認されています。
翼で水面に影を作り、魚をおびき寄せて狩る種もいるようです。
また、人間や他の鳥の漁に便乗しておこぼれを得るなど、したたかな一面も持っています。

サギは私たちの身近な水辺で、一年中観察を楽しめる野鳥です。
季節ごとの羽色や飾り羽の変化、知恵を活かした狩りの様子など、観察すればするほど奥深い魅力があります。
次に川や田んぼを通るときは、ぜひ立ち止まってサギの姿を探してみてください。
【参考文献・サイト】
叶内拓哉『自然散策が楽しくなる! 見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』
