ついに工事が一時停止! 釧路湿原メガソーラー問題の最新動向まとめ

 2025年7月初旬、本ブログで釧路湿原のメガソーラー建設問題に関する記事を投稿しました。それから2か月以上が経過し、事態に進展がありましたので続報という形で調査し、状況をまとめてみました。

 メガソーラーに関する前回の記事はこちら

事業者の違法な開発行為

 事業者の日本エコロジーの開発行為が、森林法に違反している疑いがあるということが発覚しました。森林法では0.5ヘクタールを超える森林の開発には知事の許可が必要ですが、約0.8ヘクタールを無許可で開発していたことが8月の調査で判明したのです。これを受けて北海道は9月2日に工事の中止を事業者に勧告しています。

 さらに釧路市では伐採後30日以内に提出が義務付けられている報告書について、日本エコロジーが約4か月間も提出を怠り、虚偽の日付を記載した書類を後出しで提出していたことも明らかになりました。

疑念の残る行政の対応

 上記の違法行為には行政も無関係ではないと言われています。釧路市が事業者の書類提出の遅れに約4か月間気が付かず、遅れて提出された書類を事実上黙認し、虚偽の日付での書類提出を誘導したとされる点です。本来であれば厳正な対応が求められる場面で、行政が「整合性を合わせる」という形で便宜を図ったのではないかという疑念が生まれました。これにより、市民や議会からは「行政と事業者が一体となって法令遵守を軽視した」との批判が噴出しています。

日本エコロジー社長の主張と工事の一時停止

 日本エコロジーの社長、松井政憲社長は「法律的に太陽光のガイドラインの受理を得てゴーサインを受けて事業を開始した」と主張し、投資額を理由に工事は中止しないとしてきました。
 しかし9月12日(金)のニュースで、工事を一時停止すると発表されました。停止期間は1か月~1か月半とし、「再生可能エネルギー推進と自然の調和、そのバランスを今後も丁寧に追及」するということです。

北海道知事のコメントとネットの反応

 事業者の森林法違反等の事実を受け、北海道知事の鈴木直道知事は「北海道の貴重な財産である森林が失われたことは大変遺憾。許容できない」とコメントしました。
 釧路市にとどまらず道として改善に向けた姿勢を示したと考えられますが、SNSではネットで騒がれてから慌てて対応をしたと捉えられているようで、対応が遅きに失した点を批判されています。


 工事の一時停止の発表はひとまず事態が好転したと言えますが、今後の動向にも目が離せません。引き続き本ブログでも、メガソーラー建設に関する問題を追いかけていければと思います。

【参考文献・サイト】

釧路湿原の“メガソーラー”事業者に工事中止を勧告 北海道
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250902/k10014910371000.html

釧路市 メガソーラー建設会社の書類未提出に4カ月気付かず 「整合性が整うよう」報告書の提出求める
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa08b60e7a78ad7d9ea5290f3caccf8e5c04f6c4

釧路のメガソーラー森林法違反でピンチ:業者は「止めるつもりはない」
https://agora-web.jp/archives/250909120209.html

北海道・釧路湿原メガソーラー、事業中止せず 社長「立ち止まれない」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC098050Z00C25A9000000/

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