そのご飯おいしい?鳥の味覚について調べてみました!

鳥たちの驚くべき能力について言及している記事は数多くあります。
たとえば遠くの獲物を捕らえるため人間の何倍もの視力を持つ鳥がいたり、強い風の中でも食べ物がどこにあるかを探し出す嗅覚を持っていたりします。
しかし鳥たちの味覚に関して扱う記事は少ないように感じます。
今回は鳥たちは味覚をどのように感じ、利用しているのか調べてみました!

味を感じる器官 -味蕾について-

私たちが食べ物の味を感じることができるのは、舌などに味蕾という受容器官があるからです。人間の場合味蕾は年齢とともに減少しますが、成人の場合5000~7000個あるといわれています。
鳥の場合、種にもよりますが味蕾の数は数百個といわれているようです。
人間ほどではないかもしれませんが、鳥も味を感じることができます。
鳥の場合味蕾は舌ではなく口蓋と口底、つまりくちばしにあります
くちばしの先端にも味蕾がついているので、食べ物をくちばしでつまめば味がわかります
口の中に放り込む前に、食べ物がおいしいか不味いか、安全か危険かがある程度わかるようです。

くちばしの先でつまめば食べ物の味がわかります

鳥の味蕾は味を感じるだけでなく採餌にも役立ちます。
たとえばトキはくちばしを土の中に突っ込んで食べ物を探しますが、その際に味覚も活用して中を探っているといわれています。

本来鳥類は甘味を感じない!?

鳥類の祖先が恐竜であるという話は今や広く知られています。
味には甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5つの種類がありますが、恐竜には甘味を感じる必要が薄かったため甘味を感じる受容体が発達しませんでした。
その特徴が鳥類にも引き継がれ、鳥類にも甘味を感じる受容体がありません

しかし、ハチドリが甘い花の蜜を吸ったり、小鳥が果物を食べたりする姿を見たことがある方も多いでしょう。
これらの小鳥たちは旨味を感じる受容体が甘味を感じられるように進化し、花の蜜や果物などを食料にして栄養補給できるようになったのです。

甘いものが大好きなメジロ

鳥たちの味覚について理解すれば、今後彼らの食事シーンをより一層興味深く観察できるかもしれません。
私たちと同じように季節の味覚を味わう鳥たちに思いを馳せてみませんか?

【参考文献・サイト】

デビッド・アレン・シブリー『イラスト図解 鳥になるのはどんな感じ? 見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門』

鳥と蜜の甘い関係 味覚の進化と種の生存戦略 | Science Portal – 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/videonews/m210001007/

鳥が花蜜を味わう新たな仕組みを解明「スズメ亜目を鳥類最大の種数へ繫栄させた糖の受容機構」が明らかに | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210712-1.html

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