冬の公園や草地で見かけるツグミ。
私の近所ではまだ見られていませんが、皆さんの地域にはもうやってきたでしょうか。
地べたをちょこちょこと移動する様子がかわいいですよね。
今回は私が飛来を待ちわびているツグミたちについて調べてみました。
ツグミは冬鳥としてシベリア方面から群れで渡ってきます。
冬鳥のため日本ではさえずりません。
口をつぐんでいることから、ツグミと呼ばれるようになったと言われています。
日本にやってきたばかりの時期は樹上の木の実を中心に採食します。
人気があるのはカキ、カラスザンショウ、ムクノキ、ミズキなどです。
冬が近づき木の実がなくなると地面に降りてきて、ミミズなどの虫を食べるようになります。
地上で胸を張っているかわいい様子が見られるのもこの時期ですね。
ツグミは日本に渡ってきた直後の体重は75gほどですが、春になり北へ戻るころには100gほどにもなります。
体重の1/4も増減させるとは…渡りの大変さがうかがえます。
今の時期にツグミを見ることができれば、春の渡り直前のツグミと見比べてみると面白いかもしれません!
同じツグミ科(鳥類目録第8版)の仲間で身近にみられる鳥にはアカハラやシロハラがいます。
シロハラはツグミよりも茂みの中にいることが多く、落ち葉の中をガサゴソして採食している姿が見られます。
アカハラは日本国内、本州以北で繁殖する個体もいて、地域によっては夏に見られたり冬に見られたりするようです。
同じツグミ科で違いは色だけかと思いきや、種類によって生態は様々ですね。
シロハラ
アカハラ
↓こちらは以前、三宅島に行ったときに出会ったアカコッコ。
国の天然記念物に指定されているアカコッコも、ツグミ科の仲間です。
過去人間が島内に持ち込んだ天敵となるイタチの急増や、火山の噴火による生活環境の悪化で数を減らし、絶滅危惧IB種に指定されています。
しかし近年ではボランティアによるアカコッコの好む生息環境づくりの努力の結果、三宅島では数が増えてきているようです。
ツグミ科にはほかにもトラツグミ、クロツグミ、マミチャジナイなど、今回触れることができなかった仲間たちがたくさんいます。
みんな似たシルエットをしていますが、生息環境や生態がそれぞれ調べてみると違いがあって面白いですね。
いつかはツグミ科の写真をコンプリートしたいと思います!
【参考文献】
くますけ『エナガの重さはワンコイン』
文一総合出版『BIRDER(バーダー) 2024年 11 月号』
叶内拓哉『自然散策が楽しくなる! 見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』
デビッド・アレン・シブリー『イラスト図解 鳥になるのはどんな感じ? 見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門』
ツグミ|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1359.html