最近、ブッポウソウの営巣場所に多くのカメラマンが集まり、ブッポウソウが育雛放棄してしまったという悲しいニュースがありました。
地球上にたくさん存在する生物種の中で、人間という種がほかの種に与える影響は非常に大きなものです。
過去には人間の軽率な行動によって絶滅してしまった動物たちがたくさん存在します。
今回は、人間によって絶滅させられてしまった鳥たちを3種紹介します。
ドードー 平和に暮らしていた飛べない鳥

まず紹介するのは、モーリシャス島(マダガスカル島の東側に位置する島)に生息していたドードー。
体長約1メートルほどの大型の鳥で、ハトが近縁種になります。
人間が島に到達するまで天敵がほとんどいなかったため、翼が退化して飛べなくなり、地上での生活に特化していました。
しかし、1598年にオランダ人が上陸してから状況は一変。
人間による狩猟に加え、彼らが持ち込んだブタ・ネズミ・犬などの外来動物が卵を食べ、繁殖が急速に崩壊。
100年も経たずに、17世紀後半には完全に絶滅してしまいました。
ドードーは「無抵抗な自然が文明に踏みにじられた象徴」として、今も多くの環境保護活動で語られ続けています。
オオウミガラス 乱獲されてしまった元祖ペンギン

オオウミガラスは、北大西洋に広く分布していた海鳥で、体長は80cmほど。
学名はPinguinus impennis、『ペンギン』という鳥の名前はここからきています。(オオウミガラス自体はペンギンの仲間ではありません)
彼らの運命を変えたのは18世紀以降やってきたヨーロッパ人たち。
羽毛が寝具や衣類に重宝され、乱獲が激化します。
オオウミガラスの個体数が減ると、今度は科学者やコレクターによる「最後の標本」を求めた過剰な収集競争が追い打ちとなり、1844年、アイスランドのエルディ島で最後のペアが殺されて絶滅しました。
抱卵中だったの最後の2羽は、1羽はこん棒で殴り殺され、もう1羽は絞め殺されてしまったそうです。
リョコウバト 人類による史上最大の大量絶滅

最後に紹介するのはリョコウバト。
この鳥は18世紀には約50億羽が北アメリカに生息していたと言われており、その数の多さは空を覆いつくすほどでした。
北アメリカの先住民族はリョコウバトを食用に捕獲することはありましたが、獲り過ぎないようにしていました。しかし17世紀以降に入植してきた白人たちによって食用・羽毛目的の乱獲が行われます。
そして森林伐採による繁殖地の喪失が重なり、群れは急速に縮小しました。
リョコウバトはその数の多さと裏腹に繁殖力は強いというわけではなく、大きな群れの中でないと繁殖ができないという習性を持っていました。
そのため一度数が減ると繁殖自体が成り立たなくなり、数十年のうちに姿を消しました。
最後の個体「マーサ」は1914年にシンシナティ動物園で死亡し、人類の産業化時代が生んだ最初の大量絶滅の象徴となりました。
どれも目を背けたくなるような悲しい顛末ですね。
今現在も絶滅の危機に瀕している鳥たちは地球上にたくさん存在します。
過去の過ちを繰り返さないためにも、自然を守り、生き物たちが太古からつなげてきた進化の道を、人間の行動によって終わらせないようにしたいですね。
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【参考文献・サイト】
The dodo bird and factors for its extinction | Britannica
https://www.britannica.com/video/Dodo-extinct-bird-island-Indian-Ocean-human-induced-extinction/-244686?utm_source=chatgpt.com
Great Auks Become Extinct
https://education.nationalgeographic.org/resource/great-auks-become-extinct/?utm_source=chatgpt.com
Why the Passenger Pigeon Went Extinct | Audubon
https://www.audubon.org/magazine/why-passenger-pigeon-went-extinct?utm_source=chatgpt.com
