海岸で山の鳥を見る! 照ヶ崎海岸のアオバト

夏になると海に行きたくなるのは、人間だけではないようです。
5月初旬から10月ごろまで、山の鳥を海で観察できる場所があります。
神奈川県の大磯にある照ヶ崎海岸。
この場所では、毎年アオバトが集団でやってきて海水を飲みにやってくるのです。

なぜしょっぱい海水を飲みに来るのでしょうか?
一説によると、アオバトの主食である果実類にはナトリウムがほとんど含まれていないので、海水を飲んで塩分補給をしているのだと言われています。
海水のない地域では塩分を含む温泉水や、醤油や味噌の工場から出る排水を飲むこともあるようです。

アオバトは全体的にきれいな緑色をしていますが、オスは中・小雨覆が赤紫色をしていて、メスは全体的に淡色です。
美しい羽の色は、日ごろの栄養補給のおかげでしょうか。


その昔アオバトは、山以外にいるハト(いえばと=ドバト)に対して「やまばと」と呼ばれていました。
しかしこの「やまばと」にはキジバトも含まれていて、両者はひとくくりに扱われていました。
江戸時代になるとキジバトとアオバトが区別して呼ばれるようになりました。
見た目そのまま、緑色のハトということで青葉の青からアオバトと名づけられたようです。

山の中だとなかなか見つけづらいアオバトですが、海水を飲みに来るこの時期だけは高確率で見られるチャンス!
アオバトの照ヶ崎海岸への飛来は7~8月がピークでちょうど今が見ごろのようです。
シギチなど、アオバト以外の海岸で見られる鳥を見るのもうれしいポイントです!

夏の探鳥は海がアツい!!
海水浴がてらバードウォッチングも楽しみましょう!

【参考文献】

叶内拓哉『自然散策が楽しくなる! 見わけ 聞きわけ 野鳥図鑑

細川博昭『鳥を読む 文化鳥類学のススメ

アオバト/大磯町ホームページ
https://www.town.oiso.kanagawa.jp/isotabi/meguru/pagedate/14892.html

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