このごろ外に出ると、蒸し暑く汗ばむ季節となり、夏が近づいてきたという感じがします。
ところで皆さん、「夏はバードウォッチングに向かない」って聞いたことありませんか?
確かに、春に比べると鳥の姿が減ったように感じる季節。
でも実は、ちょっとしたコツや視点の変化で、夏ならではのバードウォッチングの魅力をしっかり楽しむことができるんです!

そもそも、なぜ「夏は難しい」と言われるのか?
・ 暑さで鳥の活動が限られる
日中の気温が高くなると、昼間は涼しい場所に隠れて休んでいることが多く、出会いのチャンスが減少します。

・ 木々が生い茂って見つけづらい
葉が茂ることで、鳥が枝に止まっていても姿が見えづらくなります。

・ 繁殖期が終わって静かに
春は繁殖期のためオスたちのさえずりがよく聞こえますが、繁殖期が過ぎると鳥たちの存在感が一気に控えめになります。
・換羽中で見た目が地味に&行動も減る
夏は羽が生え変わる「換羽」の時期でもあり、鳥は飛ぶのが苦手になり、動き回らず静かに隠れていることが多くなります。

夏のバードウォッチングを楽しむ方法!
「難しい」=「つまらない」ではありません。
夏は、ちょっとした工夫で“静かな季節”ならではの楽しみが広がります。
1. 早朝 or 夕方の探鳥タイムが最高!
涼しい時間帯は、鳥たちも活動的。
朝の空気を吸いながらの探鳥は、清々しさも格別です。
2. 水辺を狙おう!
池や川、田んぼのそばには、暑さをしのぐために鳥たちが集まります。
カワセミやサギ類、水浴びをする小鳥など、夏ならではのシーンが満載。

3. 幼鳥、若鳥の観察が楽しい!
夏はヒナたちが巣立つシーズン。
羽がまだふわふわだったり、ぎこちなくエサをねだったり…そんな姿を観られるのはこの季節だけ。

4. 換羽中の変化を楽しむ
「地味になったな」で終わらせず、羽の変化をじっくり観察するチャンスと捉えるのも楽しいですよ。

夏は「探す力」を育てる季節
春のように「見つけやすい、聞こえやすい」季節とは違って、夏はちょっと難しい分、観察のスキルが自然と磨かれる季節です。
「気配を感じて」「音から探して」「水辺に注目して」――
そんな工夫を重ねていくうちに、バードウォッチングの奥深さにもっともっとハマってしまうかもしれません。
この夏はぜひ、いつもより静かな森や川辺で、“ひそやかな鳥たちとの出会い”を探してみてください。
