知れば面白い尻尾振りの秘密! 身近なセキレイ科の野鳥たち

街中の道路や駐車場、河原の近く、この時期は屋根の上などでもよく見かけるセキレイ科の鳥たち。
尻尾を振りながらちょこちょこと歩く姿はかわいらしく、都会のバードウォッチャーの心を癒してくれます。
今回は身近なセキレイ科の鳥たちにスポットを当てていこうと思います。

セキレイ科ってどんな鳥?

セキレイ科は、細長い体と長い尾が特徴の小鳥たち。
日本でも見かける機会が多くたくさんの種類が存在しますが、中でも以下の3種類はよく知られています。

ハクセキレイ
セグロセキレイ
キセキレイ

いずれも川の近くを生息域として好みますが、傾向としてキセキレイは上流域、セグロセキレイは中流域、ハクセキレイは中・下流域というように大まかに住み分けがされているようです。

あなたの家の屋根にも…?民家に営巣することも

セキレイたちの営巣場所は幅広くいろんな場所を好みますが、人家や工場の屋根に営巣することもあります。
セキレイが屋根に止まっていたり、巣材をくわえていたりしたら、そこで営巣しようとしているのかもしれません。

尻尾を振る、その理由は?

セキレイの最大の特徴は、何と言っても尻尾の上下(または左右)フリフリ。
英語名の Wagtail も「尾を振る鳥」を意味します。
ではどうして尻尾を振るのでしょうか。
調べてみたところ、確定的な答えは出ていないようなのですが、海外のサイトでとある仮説を見つけました。
https://scottishwildlifetrust.org.uk/2019/06/why-do-wagtails-wag/

尻尾を振るのは捕食者に対して、「自分は警戒しているぞ、襲ってきても無駄だぞ!」と伝える意味があり、無駄な争いを生まないためだとのことです。
正解かどうかはわかりませんが、私はこの説がもっともらしい理由だと感じました(私の所感です)。
鳥たちの行動の理由について、たとえ正解がわからなくても「こういう理由だからじゃないか?」という考えを持ってバードウォッチングをするとより楽しめると思います。

セキレイは神話にも!日本書紀に登場する鳥。

尻尾を振るセキレイは、日本書紀に登場し重要な役割を担います。
イザナギ・イザナミが国産みの方法がわからず困っていたところ、セキレイがやってきました。
2人はセキレイが尻尾を振るしぐさを見て、子どもの授かり方を理解するというお話です。
今の日本があるのは、セキレイのおかげかもしれません。
そう考えると、尻尾を振るセキレイに手を合わせたくなりませんか?




身近な鳥の何気ない行動でも、詳しく調べてみると思いがけない発見があります。
そんな発見が、バードウォッチングをより楽しくしてくれますね。
これからもそんな発見を皆さんに届けていきたいと思います!

【関連記事】

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ただつついてるわけじゃない! キツツキ科の奥深い生態と頭の構造


【参考文献・サイト】

叶内拓哉『自然散策が楽しくなる! 見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』

くますけ『エナガの重さはワンコイン』

Why do wagtails wag? | Scottish Wildlife Trust
https://scottishwildlifetrust.org.uk/2019/06/why-do-wagtails-wag/

神様はセキレイから子づくりを教わった?! 七十二候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」(季節・暮らしの話題 2016年09月12日) – 日本気象協会 tenki.jp
https://tenki.jp/suppl/usagida/2016/09/12/15311.html

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