なぜそんなに美しい? 黄色い鳥が黄色いワケ

人はなぜ鳥に心惹かれるのでしょうか。
考えたときに、一つ思い浮かぶ候補としては、やはりその美しい羽の色が魅力的だからではないでしょうか。

青い鳥、赤い鳥、黒い鳥…種によって羽の色は様々ですが、その中でも今回は黄色い羽をもつ鳥たちを取り上げ、その色の秘密について調べてみました。

野外でバードウォッチングを楽しむ方々にとって、黄色い鳥として思い浮かぶのはどんな鳥でしょうか。
キビタキ、カワラヒワ、キセキレイ…黄色い野鳥はたくさんいます。
彼らの羽の黄色は、食事の中に含まれるカロテノイドという色素によるものです。


カロテノイドは食物から摂取される、果物や野菜、落ち葉の黄や赤い色を作り出す化合物です。
カロテノイドには抗酸化作用があり、摂取した鳥たちの健康維持に役立つようです。
美しい赤や黄色の羽を持つ鳥は健康だと言われることがあります。
体が弱っている場合、摂取したカロテノイドを体力の回復に使うため、羽毛の色のためのカロテノイドが不足します。
そのため、鮮やかな色の羽を持つ鳥は、その羽毛が作られた期間は健康だったと考えることができるのがその根拠のようです。
ちなみにカロテノイドは人間が摂取しても体に良く、免疫機能の維持や生活習慣病の予防に効果があるそうで、特に緑黄色野菜に多く含まれているそうです。

インコやオウムの仲間たちにも黄色い羽を持つ者がいます。
この黄色はサイタコファルビンという色素由来のもので、上記のカロテノイドとは別のものになります。
サイタコファルビン色素は、食物から摂取されるカロテノイドとは異なり、オウム目の鳥の体内で生成されます。
またこの色素が羽に含まれることによって、羽毛を分解する細菌に対して耐性が付くという効果があるようです。

黄色い羽を持つコガネメキシコインコ


同じ黄色い鳥でも、種類によって黄色い仕組みや理由が違うのは面白いですね。

鳥の見た目の色を決めるのは色素だけではありません。
例えばオウゴンヒワのオスは鮮やかで明るい黄色をしていますが、この色には秘密があります。
羽毛の先端、表面から直接見える部分は黄色く、根元に近い部分は実は白い色をしているのです。
羽毛にあたる外からの光を、この白い部分が反射することで、まるで透明な黄色いフィルムにバックライトを当てたように美しく発色して見えるのです。

オウゴンヒワ(写真:pixabayからフリー画像を引用)
外から見えない白い羽毛が光を反射することで黄色が鮮やかに見えます

皆さんは何色の鳥が好きでしょうか。
美しい鳥を眺め、感嘆のため息をつくバードウォッチングは最高ですが、その美しさにどんな秘密があるのか知識を深めるのも楽しいものです。
今回は黄色い鳥についてお話しましたが、いつか他の色の鳥についても取り上げられればと思います!


【参考文献】

デビッド・アレン・シブリー『イラスト図解 鳥になるのはどんな感じ? 見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門』

くますけ『エナガの重さはワンコイン』

アッヒー知識箱:インコの羽毛の構造(カラフルな色の仕組み) | 羊毛フェルトのインコたちと宇宙アヒル
https://lovebird-duck.com/ahhy/ahhy-010/

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